ブレヤンジの製品特性

PRODUCT FEATURE of Breyanzi

01

本品は、投与を受ける患者のT細胞に、ヒトCD19を標的とするキメラ抗原受容体 (CAR)を遺伝子導入した遺伝子改変自家T細胞製剤であり、投与されるCD8陽性細胞及びCD4陽性細胞の細胞数の不均一を低減させる目的で、予め規定された細胞成分比で構成されます。

02

in vitro試験において、本品に含まれるCAR T細胞成分は、抗CD19モノクローナル抗体由来の一本鎖可変フラグメントによりヒトCD19発現細胞を特異的に認識し、本品細胞の活性化、細胞増殖、炎症性サイトカインの放出、及び細胞傷害作用を誘導しました。 また、マウスを用いた実験においても、本品に含まれるCAR T細胞成分はヒトCD19発現細胞に対する抗腫瘍活性を示しました。

03

本品は、CAR発現性T細胞としてCD8陽性細胞(20×106~50×106個)及びCD4陽性細胞(20×106~50×106個)を、合計細胞数が体重を問わず100×106個を目標(範囲:44×106~100×106個)に、CD8陽性細胞及びCD4陽性細胞の細胞数の比が1(範囲:0.8~1.2)となるよう、CD8陽性細胞を静脈内投与した後にCD4陽性細胞を静脈内投与します。

04

国際共同第Ⅲ相試験

一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者*1を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(JCAR017-BCM-003試験/TRANSFORM試験)の有効性評価集団(ITT解析対象集団)184例(日本人9例を含む)について、主要評価項目とされた無イベント生存期間*2中央値(95%CI*3)は、本品群10.1ヵ月(6.1-NE)、標準治療群2.3ヵ月(2.2-4.3)であり、標準治療群に対する本品群の有意な延長が検証されました(ハザード比[95%CI]*4:0.349[0.229-0.530]、p<0.0001*4、層別Cox比例ハザードモデル、有意水準 α=0.012)*5

*1一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者は、WHO分類(2016年)に基づき、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型(de novo又は形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫)、DLBCLの形態を示すMYC及びBCL2BCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、T細胞/組織球豊富大細胞型B細胞リンパ腫、Grade 3Bの濾胞性リンパ腫(FL)のいずれかと診断された患者のうち、アントラサイクリン系薬剤及びCD20標的薬を含む一次治療の化学療法に難治性又は12ヵ月以内に再発した自家造血幹細胞移植適応患者とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は組入れ可能とした)。

*2Lugano効果判定基準(2014)に基づく独立審査委員会(IRC)による判定

*3Kaplan-Meier法によるproduct-limit推定値から算出した。

*4ランダム化に用いた層別因子(一次治療の治療効果[PD、SD、PR又はCR達成後3ヵ月経過前に再発/CR達成後3ヵ月以上経過後に再発]及びsAAIPI[0又は1/2又は3])を層別因子とした層別Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。

*52021年3月8日データカットオフ

05

海外第Ⅱ相試験

一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植非適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者*1を対象とした海外第Ⅱ相試験(017006試験/TRANSCEND-PILOT-017006試験)における全奏効割合*2は、有効性評価集団(本品投与有効性解析対象集団)61例において80.3%(95%CI*3:68.2-89.4)*4であり、閾値50.2%に対して統計的に有意でした。

*1一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植非適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者は、WHO分類(2016年)に基づき、DLBCL非特定型(de novo又は形質転換FL)、DLBCLの形態を示すMYC及びBCL2BCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫、Grade 3BのFLのいずれかと診断された患者のうち、アントラサイクリン系薬剤及びCD20標的薬を含む一次治療の化学療法に難治性又は再発した自家造血幹細胞移植非適応患者とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は組入れ可能とした)。

*2Lugano効果判定基準(2014)に基づくIRCによる判定

*3Clopper-Pearson法による両側95%正確CI

*42021年9月24日データカットオフ

06

海外第Ⅰ相試験

再発又は難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者*1を対象とした海外第Ⅰ相試験(017001試験/TRANSCEND NHL 001試験)のDLBCLコホートにおける全奏効割合*2は、主たる有効性評価集団(PAS集団)133例で74.4%(95%CI*3:66.2-81.6)でした*4

*1再発又は難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者は、DLBCL非特定型(de novo又は形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫)、DLBCLの形態を示すMYC及びBCL2BCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、Grade 3BのFLのいずれかと診断され、アントラサイクリン系薬剤及びリツキシマブ(又は他のCD20標的薬)による治療を受けており、かつ2つ以上の化学療法歴又は自家造血幹細胞移植歴があり、治療により完全奏効が得られなかった又は治療後に再発した患者とした。また、FLが形質転換した場合には、形質転換後の1つ以上を含む、通算2つ以上の化学療法歴があり、形質転換後の化学療法により完全奏効が得られなかった又は化学療法後に再発した患者も含まれた。なお、悪性腫瘍による病変が中枢神経系のみの患者は組入れ対象外とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は組入れ可能とした)。

*2Lugano効果判定基準(2014)に基づく独立審査委員会による判定

*3Clopper-Pearson法による両側95%正確CI

*42019年4月12日データカットオフ

07

国際共同第Ⅱ相試験 コホート1及びコホート3

再発又は難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者*1を対象とした国際共同第Ⅱ相試験(JCAR017-BCM-001試験/TRANSCEND WORLD試験)のうちコホート1及びコホート3において、本品が投与された34例(日本人10例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合*2(95%CI*3)は58.8%(40.7-75.4)*4であり、閾値40%に対して統計的に有意でした。また、コホート3の日本人集団10例の全奏効割合*2(95%CI*3)は70.0%(34.8-93.3)*4でした。

なお、2020年6月19日データカットオフ時点における全体集団46例及び日本人集団10例の全奏効割合*2(95%CI*3)はそれぞれ63.0%(47.5-76.8)及び70.0%(34.8-93.3)でした。

*1再発又は難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者は、WHO分類(2016年)に基づき、DLBCL非特定型(de novo又は形質転換FL)、DLBCLの形態を示すMYC及びBCL2BCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫、Grade 3BのFLのいずれかと診断され、以下のコホート1又はコホート3のいずれかに該当する患者とした。

  • コホート1(欧州を対象):アントラサイクリン系薬剤及びリツキシマブ(又は他のCD20標的薬)を含む2つ以上の化学療法歴があり、化学療法により完全奏効が得られなかった又は化学療法後に再発した患者。
  • コホート2(欧州及び日本を対象):アントラサイクリン系薬剤及びリツキシマブ(又は他のCD20標的薬)を含む1つの化学療法歴があり、化学療法により完全奏効が得られなかった又は化学療法後に再発した自家造血幹細胞移植非適応患者。
  • コホート3(日本を対象):コホート1又はコホート2の組入れ条件に該当する日本人患者。
    また、FLが形質転換したDLBCLでは、形質転換前の化学療法歴にアントラサイクリン系薬剤を含む場合、形質転換後にアントラサイクリン系薬剤の治療歴がない患者も試験に登録可能とした。なお、悪性腫瘍による病変が中枢神経系のみの患者は組入れ対象外とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は組入れ可能とした)。

*2Lugano効果判定基準(2014)に基づく独立審査委員会による判定

*3Clopper-Pearson法による両側95%正確CI

*42019年9月13日データカットオフ

08

国際共同第Ⅱ相試験 コホート2

再発又は難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者*1を対象とした国際共同第Ⅱ相試験(JCAR017-BCM-001試験/TRANSCEND WORLD試験)のうち、一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植非適応の患者を対象としたコホート2において、本品が投与された27例(日本人2例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合*2(95%CI*3)は63.0%(42.4-80.6)*4であり、閾値を50.2%とした帰無仮説を棄却できませんでした(p=0.128、片側正確二項検定、有意水準 α=0.025)。

*1再発又は難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者は、WHO分類(2016年)に基づき、DLBCL非特定型(de novo又は形質転換FL)、DLBCLの形態を示すMYC及びBCL2BCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫、Grade 3BのFLのいずれかと診断され、以下のコホート2に該当する患者とした。

  • コホート2(欧州及び日本を対象):アントラサイクリン系薬剤及びリツキシマブ(又は他のCD20標的薬)を含む1つの化学療法歴があり、化学療法により完全奏効が得られなかった又は化学療法後に再発した自家造血幹細胞移植非適応患者。

なお、悪性腫瘍による病変が中枢神経系のみの患者は組入れ対象外とした(続発性中枢神経系リンパ腫を有する患者は組入れ可能とした)。

*2Lugano効果判定基準(2014)に基づくIRCによる判定

*3Clopper-Pearson法による両側95%正確CI

*42022年3月2日データカットオフ

09

安全性

重大な副作用として、サイトカイン放出症候群(43.1%)、神経系事象(35.2%)、感染症(6.7%)、血球減少(37.2%)、低γグロブリン血症(6.9%)、infusion reaction(0.8%)、腫瘍崩壊症候群(0.2%)が報告されています(副作用の発現頻度は、以下の臨床試験を併合した結果に基づく)。

一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、本品が投与された89例(日本人患者5例を含む)中77例(86.5%)に副作用が認められました。主な副作用は、好中球減少症(52.8%)、サイトカイン放出症候群(49.4%)、血小板減少症(40.4%)、貧血(36.0%)、発熱(18.0%)、頭痛(12.4%)、疲労(11.2%)、リンパ球減少症(10.1%)等でした。(承認時までの集計)

一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植非適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第Ⅱ相試験において、本品が投与された61例中48例(78.7%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(37.7%)、好中球減少症(31.1%)、疲労(27.9%)、貧血(16.4%)、振戦(16.4%)、白血球減少症(13.1%)、錯乱状態(13.1%)、血小板減少症(11.5%)、リンパ球減少症(11.5%)等でした。(承認時までの集計)

2つ以上の化学療法歴又は自家造血幹細胞移植歴がある再発又は難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第Ⅰ相試験において、本品が投与された269例中201例(74.7%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(42.0%)、疲労(17.8%)、好中球減少症(16.4%)、貧血(13.8%)、頭痛(13.4%)、血小板減少症(11.5%)、錯乱状態(11.5%)、振戦(11.2%)、低血圧(10.4%)等でした。(承認時までの集計)

再発又は難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅱ相試験において、2つ以上の化学療法歴がある患者で本品が投与された46例(日本人患者10例を含む)中42例(91.3%)に副作用が認められました。主な副作用は好中球減少症(52.2%)、サイトカイン放出症候群(41.3%)、貧血(39.1%)、血小板減少症(39.1%)、発熱(39.1%)、白血球減少症(23.9%)、錯乱状態(15.2%)、疲労(13.0%)、発熱性好中球減少症(13.0%)等でした。また、一次治療後に再発又は難治性の自家造血幹細胞移植非適応のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者で本品が投与された27例(日本人2例を含む)中24例(88.9%)に副作用が認められました。主な副作用は、好中球減少症(55.6%)、サイトカイン放出症候群(48.1%)、発熱(29.6%)、血小板減少症(25.9%)、貧血(18.5%)、白血球減少症(14.8%)等でした。(承認時までの集計)

詳細につきましては電子化された添付文書(以下、電子添文)の「不具合・副作用」及び臨床成績の安全性の結果をご参照ください。

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